需要があるかわかりませんが、最近初めて英語版ボーカロイドを使ってみたので上手く歌わせるための具体的な方法を色々書いてみます。
日本語版で無理やり、ではなく、英語バージョンを使って英語を歌わせることを想定しています。
ちなみに私はiOS版をiPadで使ってます。
パソコンの方、違う点があったらごめんなさい。
身も蓋もないことを言ってますね。我ながら。
というかこれは小技じゃないですね()
英語の自然な発音やアクセントを勉強して学びましょう。
そして、ボカロの編集画面で発音記号的なもの(普通のとは違うやつ)が出てくるので、それもある程度把握しておいたほうがいいです。
(↓これ、are という単語ですが、 Q@ という文字が発音記号)
ちなみに、ボカロ特有の発音記号の表記をまとめている方がいるのでぜひ→https://otake-an.net/article/vocaloid2/
上で書いた通り、発音記号が重要になってきます。
画像の通り、普通に歌わせたい単語を打ち込むと勝手に当てはまるであろう発音記号が上に表示されるのですが、実は、発音記号のみを手打ちで変更することができます(特殊すぎてうまく発音させられない単語はそもそも発音記号手打ちしてください)
または、発音記号を直すのが面倒であれば、発音が同じ別の単語を打ち込んでも構いません。
私は、該当するいい感じの別の単語がない場合のみ発音記号を弄ってました。
と言っても想像がつかないと思うので具体例を少し。
例えばですね、そもそもリエゾン(リンキング)(=単語間の音がくっついて発音されること)が不完全なんですよ。
なんというか、あんまりリエゾンしてくれないんですけど、打ち込み方を工夫するとめっちゃ完璧にしてくれるんですね。
◆◇というわけで子音・リエゾン編。
on you と言わせたいとしましょう。
on new と打ち込んでみてください。
綺麗にくっついて発音してくれます。
もちろん発音記号を弄ってもOKです。
(You の発音は j u: と表されますが、直前の on の n をくっつけたい場合、
n u: と打ってしまえばOK。)
(正確にはちょっとネイティブ発音と違うのかもしれないけど気にしない気にしない
ここまでわかりやすいリエゾンが重要なフレーズでなくても、例えば、
give in と打ちたい時、そのまま打つのと、
give vin と打つのではなんか微妙に長さというか発音のタイミングが変化する気がします。
他に、厄介なのは T の発音ですね。
アメリカ英語に慣れてる人には相当な違和感があるはず。
なんというか、やたらTをはっきり発音する時があるんです。
that I とか what Iとか歌わせたい時、お手軽なのはthatやwhatの発音記号から語尾の t を消してしまうこと。
ただ、それはそれで微妙な違和感があったりして難しいです。(ベロシティやブライトネス、オープニングの調整と併用?)
◆◇母音編。
普通に考えたらあんまり弄るものではないかもですが...
例えば、気になったのは、as の発音が、放っておくと
} z
という発音記号なんですよ。
この } という記号、普通の発音記号だと æ という表記なんですよ。
これ、例えば、cat の母音と同じなんですね。
アとエの中間みたいな強い音なんです。
調べてみると、辞書には [əz]と[æz]の両方が載ってるんです。前者は通常、後者は特に強調したいときに発音する感じだと思います。
でも、通常わざわざ後者の発音しなくないですか…?というか実際打ち込んでみたら違和感凄くないか…?と思ったんです。
というわけでボカロに歌わせる時は、 @ z と打つと前者の発音になるはず。
曖昧で小さく口を開けるアの発音なので適度に存在感が減ります。
他にも、of とか、いくつか(どちらかというと主に短い単語で)発音が気になった単語があったので改造しまくってました。
というわけで、超具体的に書いてみました。
簡単めな単語を例にしたのでそのまま誰かの役に立てば幸いです。違う単語でも、同じように応用してみてください。
はい、非常にめんどいです。というかなぜ?と思うかもしれません。
でもこれをやると、無理かもと思っていたところが自然になったりします。
一番大事かもしれないくらい大事です。
どういうことかというと、とりあえずシンプルなリズムでベタ打ちして歌詞を入れてみて、違和感があったところの音符の長さを微調整していくんです。
日本語版でもある程度やることかもしれませんが、英語版では相当細かくやった方がいいです。
リエゾンがあったり長母音・短母音があったり、長い単語では母音の数が多かったりするせいか、英語だとリズムを完全に楽譜通りに打ち込むとものすごい違和感があるんです。
(テンポにもよるけど、128分音符単位は流石にめんどいしあまり変化が出ない印象)
なんでしょうね、例えば、really という単語ありますよね。
割と感情のこもってる(?)単語ですよね。
感情とか、出したいニュアンスによって real の部分と ly の部分の分配が実は結構変わると思うんです。もちろん曲のリズムも大事だけど。
例えば、驚いてReally? という聞き返す言い方だとそもそもイントネーションも変わりますし、ly の比重が上がると思います(疑ってる感強めだと疑問でも逆に前半の比重上がる気もする)
他にも、Are you 〜? と言いたい時、まあ英語の授業でも習うことですが、疑問に思っているということを強調したいのか、「あなたが」を強調したいのかでどちらを強く言うか変わったりするじゃないですか。
こういうのって、喋る時だと声の高さとアクセントへの影響が大きく感じると思うんですけど、歌だと単純に音の長さへの影響が重要になってくる気がするんですよ。わかんないですけど。
というわけで、自分の出したいニュアンスに頑張って近づけてみましょう。
(あと、シンプルに違和感があるだけの時は本当にひたすらトライアンドエラーでマシにしていくしかないです。微妙なシンコペーションを多用するとそれっぽくなるように感じます)
ちなみに、ボカロでは、音と音の間に短い休符(テンポにもよるけど16分休符くらい)があっても勝手に音をなんとなく繋げてくれるのですが、
英語版では、その微妙な休符があるかないかで、音の聞こえ方が日本語版より大きく変化するように感じます。
同じ勝手に音がつながっている状態でも、なんかやっぱりタイミングがちょっと違うんですよね。
なので、そこも調整必須です。(最悪気にしなくてもいいけど、ハモるならしっかり揃えましょう)
これはもう、だいぶ日本語版と同じです。
というか、日本語の方がイントネーション=音の高さは大事だと思うんですけどね。
イメージとしては、日本語ならそもそもイントネーションとメロディの高低を合わせるべき(オリジナル曲のときの話)で、英語なら微調整でかなり良くなる感じがします。
速めの曲で同じ音の高さが何音も続く時に試してみてほしいんですが、省略しても通じる主語(特に I とか you)とか、前置詞とかだけを半音または全音下げてみてください。
これでメリハリが出ていい感じになる場合があります(既存の曲のカバーでも場合によっては使えるかも&ハマらない時もあるので注意)
または、どんな曲でも使えそうだと思うのがピッチベンドの調整(好きな長さ分だけできるのが利点)
ほんの少しだけしゃくりっぽく最初低く入ってから上げるといい感じになったり。↓
ここに関しては具体的なやり方はあまり言わないでおきます。というか、ただ単に、弄れるものは大体弄っていると言うだけですね。
さっきも言った通り、T の音はだいぶ気になりますし、S の発音も日本語版よりさらに強調されてる感じがして気になるので、ベロシティやダイナミクスを気休め程度に変化させてみたりすることはあります。
(あと、ちょっとだけ具体例を出すと、例えば better という単語なら、 t も er もハッキリ聞こえさせたくないので後半の -tter の音のオープニングの値を下げちゃいますね)
まあただ、書き出した音声をDTMソフトにインポートして、イコライザーや音量で微調整するのをメインにした方が良さそうとも思ってます。
小技と言っていいのかなんというか。最後に残された禁断の方法です。
既存の曲ではもちろんダメですよ?
でも自作曲ならこれやっていいと思います。
ネットや電子辞書を駆使してボカロがうまく歌ってくれる歌詞に改造しちゃいましょう。
あと、これまたハマる場面は少ないかもですが、本来入れないだろうという場所にちょっとだけ Ah とか Ooh とか入れちゃうのもアリです。
私は n の発音で終わる歌詞と n の発音で始まる歌詞の間に ooh と入れてみました。
めちゃくちゃなようで意外とそれっぽく聞こえてしまったのでいいことにしました。