2023年5月26日金曜日

瓜を破る 1巻 感想 1コマ目はさりげなく、ラストはインパクト

 多分このブログで書くには全体的に大人すぎる内容なので色々ぼかす部分が多くなるとは思いますが、大枠の(?)あらすじは公式の紹介みたいなので書いてあると思うのでそちらを。

漫画の一気読み、たまにやるけどこの漫画は初めて本当に一気読みしました。

なんというか、読んだ後に心を支配する系の作品の中でも特にヤバかったです。

現実に近い感じもするからなおさら。

頑張って感情を込めて(?)感想を書こうと思ったのに書けてませんが(感想が細かすぎ)、良かったら読んでいってください。めっちゃネタバレしますが、ストーリーだけを追いたい人には適してないかもです。(※これより後の巻もたまにネタバレします。注意)

瓜を破る(わる)という漫画です。



Episode.01

1話目から主要人物は割と出てきているので、爆速でその後の巻の内容も若干含むネタバレ(雑)。

主な舞台は主人公の務める会社です。

実を言うと7巻冒頭をお試しで読んだのが最初だったので、大学生くらいの話かと思っていたら裏切られました。


会社のメンバー↓(後に増えますが)

・高校の時彼氏ができたきりで男性経験がない主人公、香坂まい子(32歳)

・クールで理性的、3年ぶりに彼氏ができたけど…?という塚田花絵

・2歳の娘を育てながら働き、何か全部中途半端だなあと思っている染井菜々

・ノンセクシャルであることを隠そうとして(?)下ネタを言ってしまう原くん

・仕事人間で堅物っぽく見えるが実は10年彼氏と同棲している味園さん(先輩、39歳)


1コマ目が好きですね。

まい子の同僚の塚田ちゃん(呼び方わからん)が3年ぶりに彼氏できた宣言をするところから始まります。

後で彼氏が出てきた時、そんな話してたっけと思ったのですが1コマ目からしてました。


その後の細かい説明は置いとくとして、とにかく主人公まい子からするとみんな彼氏彼女いたり結婚してたりするじゃん!!となるわけですね。

唯一彼氏いなさそうに見えた味園さんにうっかり(?)質問したところ10年彼氏と同棲していると言われ。

本当に追い込まれてる時って、実態がどうであれ周りの人のリア充な面ばかり見て卑屈になりますよね。


そして心に迷いを抱えながら、唯一の元彼である佐伯くんと再会

付き合っていた高校の時と同様、再び未遂に終わります。

ネタバレにネタバレを重ねるのですが、まい子目線だと痛がったから未遂に終わったのですが、佐伯くん目線だと我に返って罪悪感が湧いたという方が近いんじゃないかと思います。人生、すれ違い。

何度か見返してて気づいたんですが、イメージとしてもリアルでも、ほっそい道(歩道の端っこみたいな一段高くなってるやつ?)を歩いてるシーンがあるんですよね(1話の中だけで両方ある)。

これって一人っきりで世界が広がらないまま歩いてるってことなのかな。タイトルにも通じますよね。そして、その道を歩き終えた瞬間から物語は始まる...という。何読んでても思うけど1話目って深〜〜い。



Episode.02

子どもが熱を出して保育園から呼び出されて会社早退というイベント、社会人になったらよく見るものなんでしょうか。私は幼稚園でしたが、きっと親が迎えにきてくれた時があったんでしょう。

結果的に独身の人に仕事が多く回る現象、マジでどう考えたらいいんでしょうね。

適度な田舎じゃないと無理な気もしますが、理想論としては(変な意味じゃなく)会社のみんなが家族みたいな感じで、子どもの世話をしたい人が早く帰って働きたい人が働いて、時には独身者が同僚の子どもの面倒を見てもいいんじゃないかと思ったりするんですけどね。現実って厳しいよね。


と、なんか色々言ってしまいましたが、染井さんが子どもの発熱で呼び出され、塚田ちゃんは彼氏が店を予約しているからと帰り、まい子は残って仕事してるわけですね。


で、コピー機を使っていたら突然の故障。

そこで呼んだ業者の人がですね、、、

運命の人だったんですよ。

彼の名前は鍵谷千里

多分暖かい季節だというのにマスクをつけていた。(なんの語り)


ここからの一挙手一投足は全部大事だと思うんですけど、その中でも変な(でも重要な)ところに注目してみます。

鍵谷さんと名前を言うまい子に対して、他の人みたいにエイコウさん(会社名)でいいんだけどと思う鍵谷さん。

これ皆さんどっち派ですか?割と真面目に。

私は会社名で呼ぶの絶対嫌ですね。社会人になったら気持ちが変わらないとは言い切れないですけど。

会社に属して、ギリギリ〇〇社の△△さんになるとしても、〇〇さんにはならないでしょという気持ちに。。あ〜これ母になると〇〇ちゃんママになる現象と同じですよね。うん、一回深く考えるのやめよう。

と、まあそれで鍵谷さんは珍しく名前で呼ばれてびっくりするんですけど、その先の話のネタバレをすると、別にだからと言ってまい子のことを記憶していたというわけではないんですけどね。

でも、その事実を後で思い出して、それがじわじわ効いていったような気がしますね。


仕事を終えたまい子は上司の新田さんに動物園のチケットをもらい、翌日は成り行きで原くんとサシで飲みに行くことになります。


Episode.03

会社帰りに飲みに行く原くんとまい子。

彼女がいると思っていた原くんが実は別れていたことを知ります。

えーと、まあ、要するに、彼女に誘われてもやんわり断って断り続けて、彼女がもう無理!!ってなってしまったという流れですね。

原くんの相談に乗っていい人っぽく振る舞いながら、ほぼほぼ周りの人の恋バナ(?)のサンプルを増やしたいだけのまい子、リアルだなあ...。


Episode.04

帰国子女だという原くんと別れ際にハグ。

変な空気にならない?と思ったけど大丈夫でした。

後日、新田さんにもらったチケットで大学時代の友達の理乃と動物園へ。

そして明かされる(というほどでもない)、まい子が女子大出身という事実。

なるほどだからか!!!

まい子、ここまで拗らせるには社交性も容姿も良すぎですもん。

私は女子大ではないですが、女子校出身なので気持ちはわかります。インカレでどっかのサークル入るとか、多少冒険しないと難しいよなあという。


Episode.05

彼氏がいたら人生変わるのかな…という空気を出してるまい子に対して、

理乃は「自分を支える柱は多い方がいい」理論を主張します。

これ本当に思います。

依存しない方法ってたくさん依存先を作るしかないって言いますし。

趣味の柱が太いからいいんだという理乃の趣味、宝塚か?!

理乃がまい子に食べさせてくれたやつ、じゃがりこもどき(作中の名前じゃがりん)に見えますね。後にこれ再登場するのでお楽しみに…。


からの後半は仕事のことで味園さんに怒られる塚田ちゃん。

寿退社して主婦にでもなれば?!という割とアウトな言葉を浴びせる味園さん。

染井さんが辻さんへの私怨入ってるよとボソっと言うのですが、この辻さん後に大活躍ですよ。色んな意味で。

新田さんが上手いタイミングで仲裁(?)に入りますが、そういうところができるあたりデキる上司感ありますよね。知らんけど。


そして、理乃の話に則って(というか自分の思考回路のヤバさを感じて)、何か趣味を探さなければと思うまい子。

今の趣味は強いていうなら映画…ここ大事ですよ。


Episode.06

まい子は新しい趣味として陶芸をやってみました。

そこで隣でやっていた男性に(その後で)ナンパされてしまうんですが…。

骨ばってて大っきい手だな…

とか考えてるの、だいぶ後の7巻あたりのある人の心の声からもわかる通り、まあそういうフェチなんでしょう(女子は皆好き説あるけど)

帰りに声をかけられ、ずるずると誘われ、帰る帰らないの問答に。


そこで鍵谷さんが偶然通りかかるのですが、

まい子は思わず名前を呼んでしまう&仕事関係の人に見られた、、と気まずそうにしているのに対し、鍵谷さんは名前を覚えていたことに対して引いてます。

これ、偶然通りかかるのは漫画あるあるだけど、二人の心情の落差は全巻を通してもめっちゃリアルだと思いました。(結局鍵谷さんがどうこうだけでなくまい子は人間が好きだから些細なことも覚えてるんだと思う)

よくここから付き合ったな。。二人とも頑張ったよ色々。。。

というのは置いといて…

さっきのナンパ男みたいなのじゃなくて自分を自分として認めてくれる人がいい、とまい子は思うのですが、これ、逆に鍵谷さんは自分を自分として見られるのとかめんどい、って思って生きてたんですよね。



Episode.07

彼氏と同棲している味園さん。

仕事への考え方めちゃくちゃすれ違ってるなあ…。

近年は仕事のホワイト化進んでますが、昇進したい人、管理職の人となるとやっぱり話は別なんだろうなと思うことがあります。(あ、でも、私は個人的に新田さんも悪いと思うぞ。あんまり書かれてないけど。味園さんがこんなになっちゃう前になんとかできただろ(という半分八つ当たりな感想))

そして、味園さんは幸せをひけらかさないのが本当の幸せって主張してますけど、これ、個人的には、頑張って見せないようにするのもそれはそれでいいことでもないと思います。


味園さんがお風呂に入って出てくると彼氏は机でなんか読んでるか調べてるかしてます。

ま、待てよ…これってもしかして…夜逃げの仕方(※ネタバレ)調べてるんじゃない?!と思ったけど流石に彼女に見られる危険があるとこで調べないか。でも味園さんが寝た後なら普通に調べてそう。


翌朝会社に行くと、伝説のキャラ(?)、辻さんが登場。

息子が中学に入って週2パートで復帰したという。実は味園さんの同期

そして周囲の人にめちゃめちゃマウントを取って、そしてお菓子をみんなにあげて(味園さんは拒否)去っていくのですが、このお菓子がなかなか凝ってるんですよね。

このキャラもしかしてマジの悪役か???と初見で思ったのですが、まい子も思ってる通り、手間をかけてお菓子を作ってるあたりいい意味で本当に女子力が高い(言い方アレですが)と思って、まあきっと悪い人じゃないっしょと判断しました。後々の話を読んだらその通りでした。(まい子は私にはできないとか言ってますが、自炊しない人だししゃーない。というかお菓子の前に普通の自炊しようぜ)


そして、この7話で出てくる色んな年数年齢から計算すると、辻さん、結婚して比較的すぐに子供産んでますね。そしてそのあと(多分)兄弟ができるわけでもなくひとりっ子というの、リアルすぎます。


…辻さんのことを考えながら悶々として帰宅する味園さん。

真(彼氏)に声をかけるが、部屋は、、もぬけの殻になっていた。[1巻、完]

この、空っぽの部屋がバン!!と映し出されるみたいな終わり方、マジで好きですね。

お試し無料で1巻を読んだんですけど、このラストで一気に引き込まれて次読まなきゃ!!ってなりましたもん。



というわけで1巻終わりですが、まい子にとってある意味何も起こらない、前が見えないこの感じすごいわかります。

味園さん関連は初見ではピリピリしすぎて心が痛いけど最終的に好きです。


次(2巻)の感想→ https://hana00000.blogspot.com/2023/05/2.html



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