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2022年9月3日土曜日

読書感想文を書きたくない人へ:国語の本質的な話をしよう。

 読書感想文を書きたくない人へ:書き方編で、多少皆様の役に立ちそうなことを書きました。

今回は短期的には全く役に立たない話です。本当に暇な人と探求心のある人だけ読んでください。あ、でも国語というものにもやもやしている人には参考になるかも。

どちらかというと、大人の方にはぜひ幅広く見ていただきたい内容だったりします。


前編とは違い、もっと根本的に、読書感想文とは結局何なのか、どうしたら書いてもいいと思う思考回路になるのか的な話をしています。(←言い方がやばい)

私は理系ながら、色々あって現代文にかなり詳しいです。(こういうと怪しいですけどね

記述問題の書き方を教えたり、添削したりしたこともあります。(ブログではあえていつも崩した文章を書いてます)

基本的に語彙力が低いからこそ、読解力とか考察力だけはある程度自信がありますし、わかりやすく人に教えるのも多分得意です。

そんな私の気づきを共有していきたいと思います。(主に小説を想定しながら書いてます)



国語の読解と感想文はほとんど別物である

これです。言いたいのは結局これだけです笑

多分、多くの人がこれをわかっているようでわかっていないのではないか?と思います。


国語の読解とは

これは実は私の恩師の受け売りではあるのですが…

とにかく客観的に読むこと。

つまり、自分の感想を入れないこと。

案外、勉強が得意な人でも、現代文だけは何が正解なのかわからない、勘でやるものじゃないの?という認識をしている人が多い気がします。

難しいところですが、違うんです。

昔のセンター試験なんかだと作者が直々に「その解釈間違ってるから!!」と言ってきたりとか色々あったようですが、最近ではかなりよくなってきてます。

(一部の学校の個性的な入試問題とかを除いて)客観的に読むことができるはずなんです。

じゃあどうすれば客観的に読めるのか?というと、

1つ1つの単語が持つニュアンスを意識すること

から始まると思っています。

単語という最小単位では案外幅がないんですよ。教えられなくてもみんな同じような認識を持っているんですよ。

辞書に載ってる内容というだけでなく。

例えば、「1つあった」と「1つしかなかった」の差を大事にするんです。

「しか」という単語が存在することを無視しない。

こういうところに、客観的に読み取れる感情がひそんでます。

この場合だと、後者は、「もっとある」と思っていた感じがします。つまり、「期待があった」ニュアンスが含まれています。

日常会話でも自然とやっていることですが、これを考えながら読み取るわけです。


でも、すべての単語をしっかり見るのは疲れると思います。

問題を解くときは、まずは傍線部に注目してください。

短い文、一語たりとも無駄な単語はありません。

なぜその単語が入っているのか、考えてみてください。

全体としての読み方はまた他に色々あるのですが、とにかくそういうところから、「人の感情(という形のないもの)を客観的に、理論的に読み取る」ことが始まっているわけです。


…と、国語の講座的になってしまいましたが、自分の考えとは切り離して、とにかく書いてあることに集中するのが大事なんです。

小論文の設問があるテストなんかもあったりするのでごっちゃになりがちですが、客観的に読み取るべき設問というのはちゃんとあるんです。


問題を解くときだけ客観的に読むことを徹底しよう

学校のテストの形式や授業によってはこれに慣れることが難しいかとは思うのですが、頑張ってみてください。

慣れると、問題を解いている時でも、脳内のもう1人の自分が、問題とは全く関係なく感想を考えることができるようになるんですよ。

まあ、同時にやるのは難しいので、とりあえず問題を解くときは集中してみましょう。

で、終わった時に、客観的な読み方をやめて、今度は主観的に読んでみるんです。

読解と感想が混然一体としていたのが分類されて、逆に、読解をするだけでなく感想を考えることも上手くなる、と私は思っています。

これができるようになると、感想文のためだけに読んだ本でも感想を持ちやすくなると思います。

というか、感想を言葉にすることがむしろ、客観的に読まなければいけないプレッシャーから解放された自由な状態に思えてくるくらいです。

(ここまで言うと凄く怪しく聞こえますね笑)


感想文とは何なのか

私は、「国語の読解=表、感想文=裏」みたいなものだと思っています。

読解と違って学問的な、客観的なものではないから学校で取り扱うべきではないのかもしれないけど、バランスを取るために実は必要なのではないか、と思います。

そう考えると、学生の間に読解(客観的に読むこと)を習って、大人になってから感想を言葉にできるようになれば十分なんじゃないかなあ。

まあ、宿題としてちょうどいいから学生の間にやるだけですよ、多分。


「ほとんど」別物であるのはなぜか

ここまでの話、読解は客観、というのはほぼ絶対的なんですよ。

テキストとかテストになる以上今後覆されることは考えづらい。(教育改革でそもそもそういう読解の比重を減らそうってなったらどうなるかわかりませんが)

あなたの考えを教えてください、という設問は、そういいつつもほぼ読解の(答えがある)パターン、感想文に近いパターン、両方ありますが、少なくとも他の設問と同じだと思わない方がいい。


じゃあ、感想文が絶対的に主観なのか、というとそんなことはないと思います。

読解を感想文に寄せるのは(少なくとも今のテストとかの形式だと)よくないけど、感想文を読解に寄せるのはアリだと私は個人的に思います。

何が言いたいかと言うと、客観的に読む練習をして読解はできるようになったけどどうしても感想が浮かばないという人は、「読書感想文」の宿題に読解を書いてもいいと思います。

そうすると、「私はこの本のこういうところに惹かれた」とか、「私の体験と照らし合わせてこう思った」とかいう内容はなくなっていきます。

でも、クオリティの高い読解をしていれば、十分オリジナリティのある内容になると思います。(読解の内容自体にオリジナリティがあるのではなく、場面の切り取り方とか、他の人が書くいわゆる「感想文」との差別化とかそういう意味で)

具体的に言うと、国語の設問と同じく、なぜこの登場人物はここでこのような行動をしたのか、どのような気持ちだったのかとかを客観的に書くんです。

さらに、テスト(短い文章から読み取る)だとできないけど読書感想文だとできるのが、離れた2シーン以上の関連性について書くこと。それができれば一気に幅が広がります。


…ここらへんの内容、書いて誰の参考になっているのかわからないですが、リアルで一人だけ参考になりそうな人を知っています。

凄く頭がいいけど、自分の考えを人(特に学校の先生)に見せたくない、という考えなんです。

それで国語のテストの記述問題を全然書いていませんでした。

ですが、私に言わせると、テストの記述問題は(これまた学校によるけど)それでも書けるものが多いはずなんです。

そして感想文は確かに自分の考えを見せたくないなら書けない。…というわけではなく、書けないなら読解をして乗り切ってしまおうというわけですね。

ここまで極端でなくても、本音で書くのが恥ずかしい人にはちょっとは参考になるかも。なったらいいな。

実は感想文は感想を書かなくていい。これ、結構革命かもしれない。簡単にはできないけど。


一周回って国語の読解とは何なのか

ここまで自分で書いていても思ったのですが、文学ってそんなものなのか?芸術でもあるよね?客観的に読むっておかしくない?

とも思いませんか?

これはだいぶ作品にもよると思うんです。

読解なんてものを絶対に寄せ付けないという強い意志すら感じる作品もたくさんあります。

だから国語で取り上げられやすい作品=読解が成り立つ作品って限られているんだと思います。

文章というものが持つ一側面を切り取って、体系的に確立したものなんです。

そう思って見てみると色々納得がいくんじゃないかな…?という話でした。


あとはネットを見ていると色々作品の「考察」している人を見かけますよね。

これに関しては…、読解は考察の一種ではあるとは思うのですが、やはり「考察」というと、そこには書いていないメタ要素を含め何から何まで使っていい、というのが両者の違いだと思います。

国語のテストでは書いていない情報(かつ学術的な知識や一般常識ではない)は使っちゃいけないんですよ。どうしても必要な場合は注釈があったり、冒頭に書いてあったりするんです。


最後に

どこに需要があるのかまったくわからない話ですが、長年思っていたことを書けて嬉しいです。

それだけです。

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。

読書感想文を書きたくない人へ:書き方編

突然思いついて8/30に書き始め、書き終わるまでに8月が終わってしまいました。。


私は偶然なのか読書感想文を書かされたことがほとんどなく、むしろ憧れているくらいでした(?!)

しかし、齢23にして他人の読書感想文をガッツリ手伝うことになり、あーこれは大変な宿題だわ~と初めて理解しました。(あ、でも自分で好きに書くなら書けます。人のを手伝うと思った時に初めて同じ辛さを自分のこととして感じたというか…)


そこで私はまず最初に言いたい。

そもそも感想文って多くの場合3行以内くらいで済みますよね。

3行くらいで本当に言いたいことが書ければ十分だと思うんです。

いや、一言でもいい。

一言も書けないことに気づいたときに初めて悩めばいい。

(↑『ドラえもんの国語おもしろ攻略 読書感想文が書ける』に同じようなことが書いてあります。昔読んでめちゃくちゃ感動した覚えがあります)

そうはいっても一言じゃ原稿用紙が埋まらない…という人も、一言も書けないという人も少しでも参考にしてくださったら幸いです。じゃあいきます↓



おすすめの書き方

個人的にこれでよくね??と思っている書き方を好きに書いてます。
参考にならない人にはならないかもしれませんのでご了承ください。(あと、基本的に真面目に不真面目みたいなテンションです。ごめんなさい)

本の選び方(&それに即した書き方)

好きに選べる時はラッキーと言えばラッキーです。

私は今回(の手伝い)で、選べる本の自由度の低さに絶望しましたので。。

一番書けそうな本選んでるのに全然書けない!!あー!!ってなりましたね。


ということで、選べるときは…

一度読んだことのある本

をおすすめします。


まあ、読書はある程度好きだけど書きたくない人向けの話ではありますが。

これはなぜかというと、

・昔読んだことがある

・自分自身が成長して見方が変わった

という感想の書き方ができるからです。

自然に自分の体験を入れることができるし(=オリジナリティ)、既に書き方の形式が出来上がってるわけです。


で、これをおすすめするさらに個人的な理由を言いますと、私も実際にこれをやってみたからです。

自分の宿題ではないのに、なぜか書きたくなって書いたんですよ(なぜ)

そうしたら、

「前読んだときはよくわからなかったけど中学生/高校生/大人になってみると全然違う」

というようなことを書くまでに既に100字以上は消費しました。

字数が短めの感想文なら既に文字数浸食しすぎというくらい書けました。

あとは、「前回はお母さんに薦められて読んだ(けどよくわからなかった)」とか、

「前回は話題になっていたから読んだ(けどよくわからなかった)」

とか、そんな感じのことを一緒に書いておけばいいんです。多分。


「見方が変わった」の内容としては、やっぱり、

・大人の登場人物の気持ち、大人である作者の主張がわかるようになった

というのが大きいのではないかと思います。そう考えると、家族モノの小説はおすすめなのかもしれない。

いや~先生が喜びそうですねえこの持っていき方。反発したくなりますね(?)

あとは、これを書くと少し学校に提出しづらくなりますけど、かつて気づかなかった恋愛要素に気づいたっていうのもあるあるだと思うんですよ。うん。


一度読んだことのある本でめぼしいものがない人は自分がまだ興味の持てそうなタイトルの本を選ぶとよいと思います。(これは他の方が言っていることを参考に書いてます)


ちなみに、小説を選ぶ前提みたいな雰囲気で書いてますが、学校がOKな場合は論説文もアリだと思います。

書きにくそうだから敬遠する人が多いかと思いますが、実は、意見①と対立する意見②があって、作者は①派で…みたいなわかりやすい話が多いからです。

つまり、論説文を選べば感想じゃなくて意見が書けるんです。

ディベートをやったことがある人にとっては実は楽なのではないかと思ってます。

いや、意見なんてない、書きたくない、っていう人には折衷案(意見①と意見②の間)を感想文の中で提案することをおすすめします。

逃げかもしれないけどめちゃくちゃ楽です。(日本人は「1.そう思う 2. どちらかというとそう思う 3.どちらでもない 4.どちらかというとそう思わない 5.そう思わない」で2~4を選びますよね……)


周りの人にさりげなく頼る

えー、お気づきの方もいるかもしれませんが、書き方のちゃんとしたテクニックはここまでもここからもほとんど書いてません。

それに関しては他のサイトを見ましょう(今更ひどい笑)


やっぱり、人に頼るのが最強なんじゃないかと思うんですよ。

で、頼り方にもやり方があります。

例えば、昔からの名作であれば両親や年上の兄弟が読んでいる可能性が上がります。

あの本読んでどう思った?と雑談として聞いてしまいましょう。

人間、読書感想文だと思わなければ意外と感想を口にすることができます。

宿題を提出するという責任のない人がポロっと言った一言がよかったりします。

他には、本を一人一人が自由に選べる場合は友達を頼りやすいと思います。

読書好きな人におすすめの本を選ぶところから相談したり、感想を聞いたり。

こうすると、直接書いてもらっているわけではないけれど、だいぶ人の感想で内容が埋まります(書いてて思ったけど色々ひどいこと言ってますね笑)


ネットで感想を検索するのももちろんいいのですが、直接の知り合いに頼れる人は頼ることをおすすめします。

なぜかというと、その相手の人柄や生い立ちを知っているからです。

類は友を呼ぶと言いますから比較的自分と近い感想の人も多いでしょうし、違ったとしても、「この人はこういう人柄だからこういう感想なんだ」と納得がいったりします。


その他の書き方の一例:小説で好きな台詞について書く

これはやりすぎるとよくないとは思います。

誰に何と言われようと好きなように書きたい人におすすめします。(そういう人はきっとこれを読んでいないけど…)

あらすじばかり書くのではなく場面を絞ろう、というのは大事ですし見かけますが、ここまで行くと多分偏ってるんですよ。うん。

それでもこれを出しているのは、一番楽しく読書感想文が書けると個人的に信じているからです。

漫画やアニメ、ドラマで名言を追いかけてしまう人にはきっとこの書き方、向いてます。

印象に残る、読み返した時に何度も見てしまう、という台詞(地の文でももちろんそういうのがあればOK)についてだけ書くんです。

1フレーズが怖ければ2,3用意してもいいと思います。

一言一句、なぜその台詞に至ったのか考えてみてください。

それを説明しているうちに勝手にあらすじが適度に追加されているはずです。


ちなみに、同じようなパターンとして、一番好きな登場人物についてひたすら書くというのもアリです。(それをやって学校側に「ちょっとそれは違うんじゃない?」と言われても責任とりません笑)

小説だとなかなかそういう感情にならないかとも思いますが、それができる作品に出会えれば勝ちです。


いや、でも、真面目な話、登場人物誰も好きじゃないんだけど?! なんでみんなここでこういう台詞言うの?! という本を選びそうになってしまった人は選ぶところからやり直したほうがうまく行ったりすると思います。(一言も書けない場合、このパターンわりとあると思います)

それくらい台詞も登場人物が魅力的かどうかも大事だと思います。


まとめ(?)

論説文で折衷案を出そう!というやつ、一番穴をついていてやりやすい方法なんじゃ…などと思ってしまいました。あんまりそう言ってる人見たことないし。(でも無意識のうちにやってること多いよね)

うまくやらないとあまり褒められる方法ではないと思います。

でも、ちゃんと本自体の内容と自分の意見だけで文字数を簡単に稼いで、かつパッと見それっぽい文章に見せたいならおすすめだと思うんですよ。。

小説に関しては、だいぶ色々書いてきましたけど、結局好きにやるしかないと思います。そして、好きに書くのが許されるべきだと思います。


最後に。

私個人は読書感想文を書くのも文章を書くのもまあまあ好きです。

でも、書きたい人が書けばいいと思うんです。書きたくない人は本当は書かなくていいと思う。

書きたくない人(あと、勉強したくない人)の気持ち、死ぬほどわかります。

やりたくない強い気持ちっていうのは共感を超えて共鳴するんですよ!!(意味不明)

書きたくない人の気持ちが少しでも楽になるように、これを書きました。


時間に超余裕のある人だけ読んで欲しい後編(真面目&すぐには役に立たない話してます)→https://hana00000.blogspot.com/2022/09/blog-post_3.html

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