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2021年2月26日金曜日

【感想】劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンの感動した点について書いていく

 2020年秋に上映されていた劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンについて今更ながら描いてみようと思います。

一度見ただけなので間違っている部分があるかもしれませんがご了承ください。

ちなみに、テレビアニメ版は大体、あとは外伝を視聴済みで、小説の方は読んだことがありません。

※ガンガンネタバレしていきます。ご注意ください。


◇冒頭

公式YouTubeでも公開された部分です。

それまでのを見ていた人にはかなり響いただろうな、という部分。

言うまでもなく感動しました。

死ぬ前に母が娘に送った50年分の手紙があれからどうなったか。

「現在(話の舞台の数十年後?)」が出てきて、それがヴァイオレットたちの世界と繋がっていて、というのが段々種明かしするように描かれていくのは圧巻でした。


◆「電話」の描かれ方

外伝のとき、建設途中の電波塔が出てきて、輝かしい復興の象徴のように思えて感動したのを覚えています。

今回はついに(?)電話がしっかりと初登場。

アイリスが「電波塔が完成したら手紙の代筆業なんてなくなってしまう」と焦っているシーンが出てきますね。

そこから「電話も悪くない」と思うようになるシーンはほろりときます。

今では固定電話すら古い存在になりつつありますが、やはり電話には電話にしかないよさがあると思わされました。


◇働く女性としてのヴァイオレット

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンを一言で言うと、「ヴァイオレットが行方不明だった少佐と再会して(おそらく)結婚する話」となると思います。

他にも色々重要なエピソードはありましたが、軸になっているのはやはりそこかと。

ただそれだけだったらシンデレラストーリー的というか、それほど目新しさを感じないまま終わってしまった気がするのですが、私は他の話にはないよさを感じました。

まずはヴァイオレットの普段の冷静さ。

特に序盤(テレビアニメの方)は過剰なくらい元軍人としてのヴァイオレットが描かれていましたし、人間らしさを獲得していってからもとにかく仕事ができる、そつなくこなすという印象が強いです。

そんなヴァイオレットがたまに感情をあらわにする瞬間にドキッとするんですね。

(ヴァイオレットは無理やり当てはめるなら「デキる無口キャラ」ですが、そういうキャラを主人公にして話を進めるのは実は難しいことなのではないかと思います。凄いです)

それからヴァイオレットのその後の生き方。

はっきりと描かれるわけではないですが、「現在」のシーンが時々挟まれるおかげで、おおよその想像がつきます。

小さな島で暮らして郵便の仕事をし、地元の人に愛され、切手に描かれるまでになる。

一つの理想の生き方ですね。

そういう意味では、家事・育児・仕事の両立に悩んだり、仕事上の人間関係に悩んだり、身体的にも精神的にも余裕がなく疲れたりしている現代人にこそ響く内容ではないでしょうか。

外伝の方でも郵便社の女性たちが「これからは女性ももっと働く時代が来る」みたいな話をしていたシーンがありました。

その伏線を回収してくれたのだと思っています。

(島の人との関係もよいと思ったポイントでした。

最初、閉鎖的な感じなのかと思ったら皆優しくて暖かい気持ちになったのを覚えています)


◆(名)脇役たちの葛藤

これもよかったです。

特に印象深いのはアイリスです。

表情豊かで魅力的なキャラですね。

ヴァイオレットに対して劣等感を抱きながらも変にいじけず、何とか自分の中で折り合いをつけていくところがよかったです。

「現在」どうなっているのかはっきりは描かれていませんが、おそらく出てきましたね。

自分だけの小さな居場所を見つけたということでしょうか。


あとは大佐ですね。

ヴァイオレットと二人で船の中で色々探していたときの空気感がヤバかったです。

アニメであそこまで表現できるのかと。


◇クライマックスシーン

もう、これは本当に凄かったです笑

宣伝のポスターがなぜ水辺だったのかもわかりましたし、進化して帰ってきた「みちしるべ」があまりにも素晴らしすぎました。

元の曲が昔の街とかMVに出てきた草原や庭とかのイメージなのに対して、今回のはリバーブのかかり具合のおかげか海の波を感じるサウンドになっている気がしました。

なぜ、あなたの「声」が道しるべなのか。

改めて歌詞がいかに完璧か知りました。


以上です。

また何か思い出したら付け加えるかも。

2019年12月21日土曜日

『涼宮ハルヒの憂鬱』キャラを考察(勝手にMBTI性格診断)他


ハルヒファン(?)ですが原作を読んでないのでアニメを見て考察したことを適当に書きます。書きたしていくかもしれません。




◆ハルヒたちの性格を診断してみた


人物相関図とともに性格診断が書いてあるやつ、見たことはありますが、今回自分で独断と偏見にもとづいて主要キャラ5人についてMBTI性格診断をやってみました

ハルヒと古泉に関しては素と普段の振る舞いに大きな差がありそうなので何とも言えませんが…(そして長門の感情とかわからん)


ハルヒENTP-T(外向、直感、論理、探索、慎重) 討論者(ルールなんてない)

キョンISFJ-A(内向、現実、道理、計画、自己主張) 擁護者(内向型だが社交的)

長門ISTJ-A(内向、現実、論理、計画、自己主張) 管理者(頭の回転が速く正直)

古泉ESFJ-A(外向、現実、道理、計画、自己主張) 領事官(ムードメーカー)

みくるISFP-T(内向、現実、道理、探索、慎重) 冒険者(ありのままの自分を重視)


面白いのはハルヒとキョンがすべて逆というところです。

ハルヒの方が珍しいタイプ(主人公とかメインヒロインとかでは特に珍しいと思う)でキョンのはもっともメジャーなタイプの一つです。まあ見るからにって感じですね。
そして話が進んでいくにつれ逆のようで素は似ているのでは?という気もしてくるところです。
ハルヒは団内ではルールを重視している気もしますが、基本的にはとらわれたくない側と考えられます。


そして、驚きなのが、長門のタイプはキョンのタイプよりさらに多いようです。(最多)
確かに極端なだけでああいう性格はよくいる…のか??という感じですね。

説明文を読むと人に頼られるあまり自分を大切にすることをないがしろにしてしまい気づいたときには手遅れになっているっていうのがそのまま(エンドレスエイトから消失に至る)長門って感じです。

あと一番診断がやりやすかったです。あれはあれでわかりやすいタイプということか。


そして古泉。難しくてどちらでもないを選びすぎました笑。長門、キョンの性格よりは若干少ないですがよくいるようです。ただムードメーカーと書くと本当にそうなのか疑問ですが、人気がある、リーダーを尊重する、面倒見がよい、笑っている、というところが古泉っぽいです。


そしてみくるもかなりわからなかったです。何度も試した結果これになりました。(絶対違う気がするけど…)大人のみくるだったら逆にわかりやすいのかもなあ。


この中でキョン、長門、古泉は番人タイプです。まあハルヒがいたら否が応でもそうなりそうですね。


〇ハルヒとキョン
双対。一見正反対だが実は最も相性がいいとされています。さすがカップル(付き合ってないけど)

〇ハルヒと長門
準双対。関係性を築くことが難しい。確かに平和だけどそもそもお互いの無関心で成り立ってるのかも…

〇ハルヒと古泉
活性化関係。お互いの精神ストレスをやわらげる…こわいくらい合ってる…。相互的かはともかく古泉の超能力ってかなり象徴的なものだと思うんですよね(別記事でも言ってる)

〇ハルヒとみくる
衝突関係。ぶつかるけど双対にも近いらしい。確かにそうかもしれない。みくるがちょっとでも自己主張したらめちゃめちゃぶつかりそうですよね。でも相性いいのも感じる。

〇キョンと長門
同属関係。似ていて仲良くなりやすいが意思の決断部分が違うらしいです。確かにそうかも…。消失の結局すれ違う感じ、当たってます

〇キョンと古泉
鏡像関係。調べたんですけど難しかったです。基本話が盛り上がる、一緒に問題解決するのに向いているけれど完璧な関係ではないという感じ。確かに当てはまってる気がしますね。なんだかんだキョンにとって古泉はおそらく一番喋ってる相手だけど、人間としてそもそもタイプが違う感というか。

〇キョンとみくる
準同一関係。似て非なるタイプ。心理的に距離が近いけど話が合わないタイプ。終わりがあるっていうところがそれっぽいかも。

〇長門と古泉
or支配関係。この場合古泉が監督側だと理想的な関係を築けるようです。別に監督関係ではありませんがまだ関係が良好(?)なあたり当たってるのかもしれません。

〇長門とみくる
恩恵or先生。これは疑惑すぎる…笑。まあこの二人はみくるが長門を怖がってて長門が無関心なだけなのでまともに絡んだらどうなるのかは不明です。大人のみくるなら想像できないでもないです。

〇古泉とみくる
消化関係。社会の中では意見が合わないらしい。確かにここ、組織的に対立してそうでこわいんですよね(映画撮影の時)。


というわけで人物相関も考えてみました。(※この診断は本来、関係性を考えるものではないらしいですが) みくるとかどうなるのかと思いましたが意外と合ってますね。あと、全部関係が違うというのが物語としてもすごくバランスがいいんだろうなーと勝手に思います。





◆エンドレスエイトのラストシーンについて

キョンと古泉がポーカーをしているシーンが粋で好きです。
キョンは手札がスペードのロイヤルストレートフラッシュだったためカードを交換しません。古泉も交換しないのですが、当然キョンが勝ちます。

普通に考えたらキョンの運が物凄くいいということになりますが、私はそうでもないのかなと思います。

というのも、その前にすでに15000回以上夏休みを繰り返しているからです。
実際には繰り返し期間中にはおそらくポーカーをしていませんが、もし毎回していたとしても、繰り返しを終わらせられなかった「世界」ではきっとスペードのロイヤルストレートフラッシュは出ません。

エンドレスエイトという膨大な繰り返しと同じように、ポーカーも(実際にはやってないけど)膨大な試行の繰り返しみたいな。

世界は可能性と不可能性でできているみたいなことを表しているのかなと。
夏休みを終わらせられたこととポーカーは直接は関係ないんだけど、全部がうまくいくときもあればうまくいかないときもある。

ちなみにジョーカーを使っていない場合スペードのロイヤルストレートフラッシュがいきなり出る確率は1/2598960です。
って考えると繰り返していたとしても運がいいですね。(でも繰り返した中で1回以上そうなる確率を考えるとかなり現実的になるのも事実です)

こういう含みのある描写が涼宮ハルヒの憂鬱という作品の最大の魅力だと個人的には思います。

2018年8月25日土曜日

【アニメ映画】【小説】ペンギン・ハイウェイ 私が個人的に映画以上に原作小説をおすすめする理由


森見登美彦さんの作品を紹介するのは【小説】【アニメ】四畳半神話体系/森見登美彦に続いて2作目になります。

ちなみに私は今のところ映画は見てません。そのうち見るつもりですが。

テレビCMの印象だけで本編を勝手に想像してます。

というわけで、映画と比較するというより、いかに原作が素晴らしいかについて語ります笑 

以下いつも通りネタバレ多め↓ 

 小説の特徴

まずはタイトル通り書いてみます。一応ですが。

独特の一人称の語り

映画でもある程度再現されているとは思うのですが、やはり本一冊となると文章の量と内容の濃さで圧倒してくる感じがあります。

四畳半神話大系などほかの作品では、主人公は主に男子大学生。名前は明かされず、「私」とだけ出てきて、脳内で屁理屈ばかり言っている。

それに対してペンギン・ハイウェイはかなり異色です。

主人公は男子小学生のアオヤマ君、ヒロインは近所の歯科医院のお姉さん(ヒロインに関しては微妙に通常運転っぽさあります)

しかも、男子大学生の主人公と違って凄く純粋だし希望にあふれてます。

でも、読み進めていくうちに、大学生と根本は変わらないというか、同じように引き込まれて行きます。

観察眼の鋭さとたとえのうまさが特徴なんじゃないかなと思います。

ペンギン・ハイウェイでは缶がペンギンに変わる瞬間を観察記録的に詳細に描写したり、お姉さんの寝顔を見て不思議な気持ちになって心の中で悶々としたり、そもそも小説全体が少年の日記という設定だったり。(本当にこんなに文章を書いたら恐ろしい小学生ですね)

まず、最初からいきなり自分がいかに努力しているか、素晴らしい小学生かについて語り始めちゃってます。

個人的にここの文章が最も好きです。プロローグみたいなものです。

このプロローグは章として区切られているわけではなく、「ここまではためし書きである」という一言によって唐突に終わります。

ここらへんで「え、何なのこの子?! やっぱりただものじゃないな」みたいになります。

自分の住む街について、お菓子みたいなカラフルなかわいい家がたくさんあると言い、将来自分がどれだけえらくなっているか想像がつかないと平然と言い切り、お姉さんが作り出す動植物の細かな描写、登場人物たちの見た目のユニークな紹介、クラスの意地悪な子にひどい目に遭わされているときでさえ冷静に観察と分析をし、...と挙げるときりがないです。

映画でもそういうのは見られるとは思うのですが、小説がそれのフルバージョンということになると思います。


それと、印象に残っているのは小学校のクラスでの人間関係ですね。

小学生にしてすでに四角関係(?)かなんかになっているのですが、アオヤマ君はちょっと疎いので、皆の態度をこれまた詳細に書いた上で、なんでなのかわからないなんて言ってますからね。

普通の人なら表情や態度で何となく読み取って終わり(=作品の登場人物に関しても、映像で見た方が伝わる)のに対し、アオヤマ君はここでもしっかりした文章にして考察したがるので、小説で読んだ方がニヤニヤできます。多分。

登場人物の名前、表記など

アオヤマ君というのを見ればわかると思うのですが、この話の登場人物は全員カタカナで書かれ、下の名前が一切出てきません。

このカタカナ表記がファンタジーっぽさを強めてくれてます。

小説でしかわからない一番の特徴かもしれないですね。

ちなみにお姉さんに至っては苗字すら明かされません。

やっぱり名前がない方が感情移入できるんだなあと再認識しました。

大学生の作品では、主人公のしがない生活に感情移入するのがメインだから主人公の名前が明かされてないし、ペンギン・ハイウェイではアオヤマ君のお姉さんへの憧れが原点としてあるからそれを強調している、みたいな。


それに加えて、これは森見登美彦さんの作品全般に共通することなのですが、文章が途切れるところでただ1行とか2行空けるのではなく、なぜか○を入れます。

これ、意味わからないんですけど落ち着く気がして好きです。

一息つけるんですね。


 内容を考察してみる

いつも通り好き勝手に書きます。 

こっちの方が長くなりかねない笑

お姉さんは何者で何を考えているのか

アオヤマ君は〈海〉を世界の壊れた部分で、お姉さんとペンギンはそれを直しに来たと考えています。

あれな言い方ですが、世界はプログラムで、お姉さんはデバッカー、ペンギンはデバッグ用プログラムって考えるとなんかわくわくします笑

あとは、お姉さんは日曜に教会に通っていて、アオヤマ君と「神様を信じるか」みたいな会話をしているシーンがあるので、神の使いのようなものなのかもしれないとも思います。



一番の謎はお姉さんがなぜ自分の正体を知らないか、ですね。

知っているのに知らないふりをしている感じも特にしないし。

それに、お姉さんは自分の子供のころの記憶を持っています。

考えられるのは、

・地球で一時的に暮らすために記憶・人格を与えられている
・実際に幼い頃から普通に生活していた人間であるが、壊れた世界を直す人として選ばれてしまった

のどちらかかな。

最後にはいなくなってしまうし、話の中での流れも前者の方がそれっぽいですね。

どっちにしても日常の中のファンタジーからは大きくかけ離れてしまうので、答えが明かされることはないんだろうなあ…と思います。



お姉さんが何を考えているのかについては、原作を読んだ小学生の時からずっと気になってます。

改めて読み返してみると、辛そうにしてる場面多いですよね。

〈海〉が小さくなると体調が悪くなるという設定のせいでもありますが、〈海〉を壊すために自分の地球上での生を犠牲にしなければならないなんて辛くないはずがないです。

特にラストでカフェでぼーっとアオヤマ君を待っている場面。

この時になって初めて、人間とは分かり合えない寂しさや、その中でアオヤマ君だけが自分を理解してくれていることをお姉さんが本当に自覚したような感じがします。

序盤、中盤とずっとアオヤマ君の片想いっぽいのに、最後でお姉さんも精神的にアオヤマ君に頼ってたんだな、と気づかされます。

アオヤマ君の成長

先ほど紹介したプロローグは、エピローグでもほとんど同じ文章のまま使われます。

だからこそちょっとした変化、特にラストの何文かが凄くきわだって見えます。


アオヤマ君は頭がいいのですが、最初の方では頭でっかちな面があります。

お姉さんやクラスメイトとの唯一無二の体験の中で、実際の体験と文章は全く違うということを学んでいき、たくさん書いているノートの中ではなく現実に生きる少年になっていきます。

だから映画だと後半の方が映像とアオヤマ君のセリフが合ってきて盛り上がるんじゃないかな。

超個人的には、原作の表紙みたいにアニメっぽくないタッチで、前半は静止画多めでラジオドラマみたいな感じにして、後半でアニメ!!っていうのを押し出したような映画を見てみたいです。


愉快な脇役たち

大きく、変人とまあまあ普通の人に分けられる気がします(適当)

変人→アオヤマ君、アオヤマ君のお父さん、お姉さん、ハマモトさん
普通の人→ウチダ君、スズキ君たち、アオヤマ君のお母さんと妹

みたいな。

特に、スズキ君→ハマモトさん→アオヤマ君→お姉さんとかいう一方通行の恋愛相関図(?)が存在するので、中立的なウチダ君がめちゃめちゃバランスとってくれてます。(逆にそれ以外のみんなのキャラが濃すぎる)

ハマモトさんはお姉さんに嫉妬しているせいで「あの人信用できない」とか言い出すし笑

ただ、大人の恋愛と違ってドロドロしてないし、小学生のノリというか、ほほえましいです。


 まとめ

四畳半神話体系と比べてほぼこっちでは書いていませんが、森見さんのストーリーの特徴はアホワールド(?)と言われていて、登場人物たちが基本的に頭がいいのに知性を無駄遣いしていることです。

大学生主人公だと、大学生の間しかしないようなバカ騒ぎとかになるのですが、ペンギン・ハイウェイでは小学生らしい純粋で懐かしいエピソードに全振りしているので爽やかなテイストになってます。

私は文庫本を持っているのですが、あの小さくて密に詰まった字を見ているとなんだか宝物に触れている気分になります。

2018年7月25日水曜日

【アニメ】涼宮ハルヒは私の知る限り最もリアルな現代の女性キャラである


『涼宮ハルヒの憂鬱』は私の一番好きなアニメです。

キャラが好きです。ストーリーと設定も好きです。

アニメを実際に見ていて惹かれるのは長門とキョンですが、やっぱり作品をこの作品たらしめているのはハルヒかなと思ってこんなタイトルにしてみました。

考察なんていくらでも書かれていますが、「ハルヒ」というキャラについて、今さらながら自分の思ったことを素直に書いてみたいと思います。

なぜハルヒは「憂鬱」か

容姿にも才能にも恵まれ、常識も持っている(古泉談)のになぜハルヒはいつもつまらなさそうにしているのか、「エキセントリック」なふりをするのか。

ハルヒ本人も言っていますが、やはり自分がちっぽけな存在だと気づいたからでしょう。

ハルヒは野球観戦に行って気づいたと言っていますが、なぜそうであると気づかなければならなかったのか、というと、ハルヒが現代(の日本)を生きる少女だからです。

原作の刊行、アニメ化と時間が経過していることや、ある程度普遍的な学園生活を描いていることからはっきりと舞台設定はわかりませんが、ただ一つ確かなのはこの物語がバブル崩壊後の物語であることだと思います。

人間にとってほしいものが手に入って、明日の生活も保障されているに等しい。

でも何となく虚しい。
もう、近代・現代的な社会構造の希望が無限のものではないことを知っている。

皆が科学を過信しているがゆえに超常現象は存在しないことになっている。

情報化社会の巨大なネットワークの中で自分の存在が記号になっていくのを感じる。

自分の不自由ない生活に満足している自分自身にイライラしてしまう。


たったこれだけのことですが、それをここまで真正面から言った作品は他に見たことがありません。


日々がつまらない、何か面白いことがないか探すキャラが出てくる話自体はよく見ます。

だけど、たいていすぐに面白いことに巻き込まれてそんなことを考えていたこと自体忘れてしまいます。

『ハルヒ』に関してはそれがありません。
ハルヒ本人にはSF的な出来事が知らされないからです。

SF要素に関して言えばそこが一番のミソだと思います。

何も知らないから主張し続ける。
話が進むにつれハルヒの性格や行動は丸くなっていきますが、その主張は一貫しています。

物語の世界だけでなく、現実の人間だって面白いことが起きてほしいと漠然と思っていたりします。

でも実際にはそうそう起こるものではありません。(少なくとも本人の目にはそう見えます)


ハルヒは、思春期にあって「世界が自分の思った通りに動くわけではない」、「小さい頃に思っていたほど生きているのは楽しいわけではない」と気づきつつ、どうしたら少しでも楽しめるかを模索する、現実と共に生きる少女なのだと思います。


キョンとの関係性

ハルヒが上で書いたとおりのキャラだとすれば、キョンはどういう存在なのか。

普通の人間のようで謎めいていて難しいのですが、ただ、ハルヒと二人で一人の人間みたいなものなのかと思ってしまうシーンがあるように思います。

まず、『涼宮ハルヒの憂鬱Ⅵ』。この回の後半、ハルヒとキョンの二人の世界って感じがして一番好きです。(さらにカラオケでGod knows...を歌うとその辺の映像がダイジェストでみられるの最高です。初めて見たときそういうシリアスなアニメなのかと思ってしまいました)

そもそもなんで閉鎖空間なんて作ったんだよ!!と最初は思いましたが、よく考えるとめちゃめちゃわかる気がします。

直接の原因はみくるへの嫉妬ですが、そうでなくてもハルヒは多分キョンと二人きりになりたいと思ってます。

そして、その感情は多分男の子が思う「二人きりになりたい」とは別物です。

夢と現実の境界が曖昧になるような、夢を見ていたわけでなくとも朝起きたときに「彼が今までここにいたような気がする」と思ってしまうような、そんなボーっとした、体中を流れる感情なんじゃないかと。


だから閉鎖空間でキョンと二人きりになったと考えると自然です。

ハルヒはSOS団なんてもうどうでもいいと言いますが、それまで積み上げてきたものを捨てても構わないというのは凄く女の子だなって思います。原作者が男性であることが信じられないくらい、刹那的な感情の変化がよく描かれているし、それがアニメになったとき鮮烈な印象になって残る。

この時のハルヒのセリフはほとんど告白みたいなものです。

しかし、それによって二人の温度差、すれ違いが浮き彫りになってしまいます。

この後、キョンは長いモノローグを経て自分は「ポニーテール萌え」なのだと言います。

これも最初見たとき意味がわからなかったのですが、実は昼間のハルヒのセリフに返事をしているだけなんですね。

キョンの言うポニーテールとはおそらく序盤の体育のシーンのことです。

さっき自分がハルヒを怒らせてしまった原因も本当はわかってるし、出会った時から気になってたんだよ、と暗に伝える、気の利いたセリフです。(本人は自覚してなさそうですが)

そしてハルヒへの返事でもあります。

まとまってないですがこんなシーンなんじゃないかと思います。



次に『笹の葉ラプソディ』で明かされるハルヒの過去。

これは設定上の問題です。

ハルヒの能力があるからキョンは過去に飛んだはずなのに、キョンがそこでハルヒの能力発動のきっかけを作る。

すべてのタイムリープものにいえることと言ってしまえばそれまでではありますが、鶏と卵との関係です。

ハルヒがいなくても未来人は存在すると聞いたことがあるような気もするし、本当に能力を持っているのはキョンの方っていう説もあります。

しかし、個人的にはそこから、ハルヒとキョンは別の人間ではあるけど限りなく一人の人間に近い形で存在しているのではないかと思いました。
(この発想は島本理生さんの小説『あられもない祈り』の、西加奈子さんによる解説文から得たものです。詳しくはそれを読むとわかります)


さらに、『涼宮ハルヒの消失』においてもそれを感じます。

長門はキョンに振り向いてもらえないし、古泉は、ハルヒが出会ったばかりのキョンに対してキラキラした目をしているのを「羨ましい」といって寂しそうにしている。

キョンにとっては『長門有希の暴走』とかじゃなくてあくまでも『涼宮ハルヒの消失』で合ってるんだなと。

出会いからやり直させられても変わらない二人ということです。



古泉との関係性

※この項目は2018年8月17日追記

キョンの視点だとハルヒの次に長門が重要って感じに描かれていますが、ハルヒから見たら古泉はキョンの次に重要なキャラなんじゃないかと思ったので書き加えておきます。


そもそも(こういう人物相関の)ラノベでここまで主人公以外の男性キャラが主張してくる話も珍しい気がします。

古泉一樹はなぜ男性キャラなのか。

ここで私が注目したのは、

・古泉はおそらくハルヒのことが好きである
・ハルヒはそれに気づいていない
・超能力者という立場の特殊さ

の3点です。

1点目は、消失世界の古泉が明言しています。

普通の世界の古泉も同じとは言い切れませんが、それにしては意味深なシーンが多いと感じるのも事実です。

特にエンドレスエイトⅣ(アニメ新シリーズ15話)。

エンドレスエイトは8回もあったので1回1回の各シーンへの考察ってあまり見たことがないのですが、私としては、この回だけ他と全く違う意図を感じました。

みくるが未来に帰れなくなったと気づいた夜、古泉の解説中に、ハルヒの映像が挟まれます。

ここで、ハルヒがノースリーブの男性に囁きかけているのと、ハルヒの白いワンピース姿が特に気になります。

まず、ノースリーブの男性。

後ろ姿ではありますが、髪の長さ的にどうしてもキョンには見えません。

自然に考えると古泉なんじゃないかと。

もしキョンだったとしても十分に意味深なカットですが。

次にハルヒのワンピース。


正面を向いて、ハッとしたような顔をしています。

私がこのシーンに注目したのにはきっかけがあって、ニコニコ動画のこの動画です。↓

http://www.nicovideo.jp/watch/sm8760978

投稿者の解説文を見て、正直一瞬「それって実際にあり得るんじゃない?」と思ってしまいました。

古泉は自制心が強そうなので実際に行動には行動には移さないだろうし、そんなことがあったらハルヒが混乱すると思いますが、「古泉が、自分がハルヒに告白したり、デートしたりする夢を見た(想像をした)」と考えれば自然です。


次に2点目&3点目。

長門とみくるがハルヒを観察・監視しているのに対し、古泉だけは違います。

神人の退治を通して、ハルヒの心を癒すという役割を持っています。

ここから、少女の心を癒せるのは男性だけであるということを示しているのではないかと思いました。

もちろん女性の超能力者もいるのですが、ハルヒのそばにいるのはあくまでも古泉であり、男性的存在なのです。
(ついでに、登場人物の中で、宇宙人が全員女性(?)、未来人がみくる(+原作の藤原(男性))のみなのに対して、超能力者は基本脇役ばかりですが男性の比率高めですね)

また、ハルヒが安心して古泉に頼るためには、古泉からの好意に気づいてはいけません。

谷口の話から考えると、ハルヒはそもそもどうでもいい相手に好意を向けられることにうんざりしています。

相手が古泉ならうんざりはしないでしょうが、かわりに、真剣さを悟ってしまって悩むはずです。


悪くいってしまえば、古泉は、「叶わない恋と知りながら自分のことを好きでいてくれて、何でも自分の思った通りにしてくれて、感謝を求めず、好意を押し付けてこない(自分を困らせるようなことをしない)」という、少女漫画にも出てこなさそうなレベルで究極的に都合のいい男なわけです。
(好意を押し付けない、というところが地味に最もハードル高いですね)

キョンとは全く逆の方向に(そして古泉本人にとってはあまり好ましくない方向に)、ハルヒにとっての理想の男性像として描かれているように思います。


 まとめ

ハルヒの、他のキャラにない特徴は現代人として、少女としてリアルな感覚を持っているところだと思っています。

もちろんラノベだしコメディだし、高校生のやることなんだけどどこかに平凡ではない緊張感が潜んでいる。

そういうところが好きだし面白いんじゃないかと思います。

2018年5月27日日曜日

【小説】【アニメ】四畳半神話体系/森見登美彦


この作品を知ったのは高校生の頃ですが、自分が大学生になってから見返すと感慨深いものがあります。

冴えない大学生が、もっと自分には別の可能性があったはずだ、と模索し続け、最後になってやっと自分の現状を受け入れ、楽しむようになる、という物語です。



登場人物について簡単に。



主人公です。
名前は出てきません。
同じ作者の『恋文の技術』では、主人公「私」の名前が森見登美彦(作者名)となっているので、ここでもそう考えてよいかもしれません。
地の文では「私」という一人称を使っているのに、喋るときはほぼ「俺」になっているのも一つの特徴です。
何となく、紳士になりたいのになれない(?)感じが伝わってきます。


不毛な生活を送る人たち

主人公の悪友である小津、8回生と言われている樋口師匠、主人公いわく「水もしたたるイイ男」であるにもかかわらず映画サークルに居座り続ける、師匠と同学年の城ヶ崎氏の3人です。

小津は樋口師匠の弟子で、樋口師匠と城ケ崎氏は自虐的代理代理戦争という謎の争いをしています。

一つだけ言えるのは、皆成績が超低空飛行だし将来の希望が見えないのに、堂々と楽しそうにふるまっているということです。

明石さん

大して出てきませんが、本作のヒロインです。

こんな女の子、実際の大学にそうそういないですね。
孤高を貫いているのに、主人公には意外な一面を見せてくれます。

かわいいしかっこいいし最高!!


羽貫さん

謎の歯科衛生士だそうです。樋口師匠や城ケ崎と同じ学年の卒業生らしく、要所要所で登場します。
主人公の心を惑わせてきますが、(多分)樋口師匠とくっついてます。
そういえば、今度映画化される『ペンギン・ハイウェイ』のお姉さんも歯科衛生士ですね。
作者の森見登美彦さんが思い入れを持っているんでしょうか。


小説とテレビアニメの違い

本作では主人公が自分の生活に納得するまでに、いくつものパラレルワールドを体験します。(違う解釈もできそうですが、客観的に見てそれが一番近そうです)
小説では全部で4回なのに、アニメでは1話~10話の10回、大学入学から話が始まります。
それにあたって(?)、毎回の結末が若干変更されていて、最終話だけ原作に沿った終わり方をしています。

以下いつも以上のネタバレなので白字→原作だと4回とも明石さんと恋仲になるのに、アニメだと最終話だけなんですね。
個人的にはテレビアニメの方が好きです。
ラストの特別感が増すので。
逆に言えば最後まで見ないと(というか途中を飛ばしてでも10話11話を見ないと)良さがわかりにくいんじゃないかなと。

 
それ以外にも、いくつかアニメでしかできない演出をしています。
登場人物の顔の変化とかは特に秀逸です。

「私」と小津の関係について

私」は自分と小津とは運命の黒い糸で結ばれている、一緒にいると自分がダメな人間になってしまうから早く縁を切りたいといったことを言っていますが最後に唯一の親友であったことに気づきます。
いくつものパラレルワールドを通して、様々なサークルに入ったり樋口師匠の弟子になったり…と一通りの経験をした「私」ですが、小津はそれらを一発ですべてこなしています。(だからこそどんなルートを選んでも小津と出会ってしまうわけですね)
対照的な描かれ方をしているのが面白いです。



最後に、「私」はやたらと嘆いていますが、正直こんな大学生活を送ってみたいです!(自堕落なところ以外)

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