大気関係第4種を受験し、一発ですべて合格しました(2022。全部2022年と表記しちゃったけど正式には令和4年度試験です。)
公害防止管理者資格の中ではそこそこ難関(合格率的に?)の「大気関係」...のうちの、一番科目数の少ないやつです(第4種は4科目、第一種は6科目)
さすがに一般人(?)に6科目は無理でした。
ちなみに試験区分別合格率見たんですが、免除申請なしだと合格率4.0%だったんですね………ヤバすぎる。(ありだと4種は32.2%、平均19.2%)
同じ大気関係を受験する人には特に役立ちそう、共感できそうな話をしていきます。
受かったらすぐ記事を書こうと思ってたのに!!!
その後なんやかんやあって体調崩したり就活で忙しかったりして書いてませんでした。
それでは目次。
1. 就活に使える資格なのか?
2. 私が非公式テキスト1冊で乗り切った方法、実際に使った本
3. テキスト(公害防止管理者 超速マスター 第3版)になかったけど出るかもしれない範囲
4. 実際の正答率、間違った問題を公開
年数が経てば様々な変更点が増えて、段々役に立たない情報になっていくかとは思いますが、一種の歴史的資料になればと思います(また言いますが、2022受験、2023年にこれを書いてます。法律もその時点での話です)
1. 就活に使える資格なのか?
就活と特に関係のない皆様、最初からこれでごめんなさい。
結論から言うと、使えるっちゃ使えます。
そもそも、社員の資格の例として書いてある会社なら普通に評価されます。
1社、1次面接であまりうまく喋れなかったのに謎に通った会社があったのはきっとそのおかげでしょう。
一方で、本命企業では資格と全く関係ない会社を受けました。
でも、単なる話のネタ(努力の部分とか)ではなく、勉強した内容の方を使うことができました。
というのも、資格が網羅している範囲が広いからです。
化学、物理、法律にはしっかり関係があると言えますので。(物理は区分によっては微妙かもしれないけど)
究極的には、製造業(加工業含む)、電気供給業、ガス供給業、熱供給業のどれかを志望していたら、自分の志望している業界の工場で何が行われているか知りたかったという言い方もできますし。
働いている方だと、使わないのに資格取得するのはなかなか勇気と覚悟(?)が要りますが、学生で時間のある人なら、人生経験だと思って勉強してみるのもありです(後悔しないならですけど)
2. 私が非公式テキスト1冊で乗り切った方法、実際に使った本
よくわからないけどテキストという呼び方をしていきます。
この本を使いました(TAC出版 公害防止管理者 超速マスター 大気関係 第3版)↓
公式の、いわゆる電話帳となぜか呼ばれている本を購入するのももちろんアリだったのですが(全範囲を網羅できる)、私個人はこちらの本を選んで正解だったと思ってます(もちろん両方使ってもいいですけども)
理由としては、
・重要なところをかいつまんで覚えることができる(載っている情報量はそれなりに多いが、特に重要なところだけ色がついていたりしてわかりやすい)
・試験当日にそれほどかさばらず重くもならず持ち運べた
などがあります。というか、骨の細い(?)私には2つ目の理由が大きかったです。正直。()
当日行ってみたらほぼ女性受験者が他にいなくてビビりましたが、女性の皆さん、当日そこらへんどうするか重要な気がします。
②テキストを使った勉強法
めちゃめちゃ疲れるし時間かかるのでおすすめできないっちゃできないですけど、視覚から覚えるタイプの人には参考になるかもしれない方法です。とにかくこれで受かったんで(黙れ)
① 重要な情報、知らない情報を全てノートにまとめる(テキストの文章そのままではなく簡潔に)
② ①と同時並行で、期間が空いて忘れそうになった、少し前に①でまとめた範囲をテキストで読み返し、テキストに印をつける
③ (後述するネットを使った勉強法で)過去問を解いたりしつつ、①②までで自分がどうしても覚えにくい、覚えていないことを見つけてノートにまとめる(最初のまとめと比べるとかなり量が減っているはず)
ちなみにここまで、第四種の4科目だと、普通の大学ノート1冊以内で終わりました。(過去問の計算問題は裏紙に書いたりもしたけど)
3月終わりに勉強を開始し、8月後半にまだ1周目が余裕で終わっておらず、もしかしてやばい??と焦ってスピードアップしてなんとかなりました。(勉強期間ほぼ半年)
③ネットを活用して勉強
テキスト1冊で乗り切ったと言いながら、ネットにはかなりお世話になりました。というかこちらの方がある意味比重は大きかったです。
でも、テキストを見て頭を整理していたからこそ、ネットでもいい感じに勉強ができたんだと思ってます。
ということで何をしたのかというと、
◆法文検索
特に公害総論で重要。e-Gov法令検索で検索できます。
当日もスマホでちょっと見ました。
◆過去問
まずは、一般社団法人産業環境管理協会公式サイトに過去3年分問題が置いてあります。年数は少ないですが、公式が用意してくれているという安心感は物凄いです。
そして本当にお世話になったのが公害防止管理者試験まとめました (yaku-tik.com)というサイト。
過去問・解説だけでなく、過去の環境データもおいてあったりします。
◆テキストに載っていないけど試験に出る範囲を検索
これについては、過去問約10年分を解くうちに、これ知らないぞ??というのを自分で発見してその都度調べました。
ということで次、私の使ったテキストに載っていなかったけど重要そうな情報を簡単にまとめます。↓
3. テキスト(公害防止管理者 超速マスター 第3版)になかったけど出るかもしれない範囲
あくまで第3版の情報です。
今後改訂で内容が増えたらラッキーということで。
間違いがあったらごめんなさい。あと、全部は網羅しきれてないです。
そして、当たり前ですが本には本当にお世話になったので批判する意図は一切ないということを言っておきます。
総論なので、大気を受けた人は大気の話はわかるし、ダイオキシンを受けた人はダイオキシンの話はわかる……みたいなところはあると思います。
そんな感じで、公害総論以外の各科目を勉強すれば当然知る機会がある内容も含まれるかもしれませんが、それも書いちゃいます。
◆一部の法文
まあ法文なんて長いの全部テキストに載せるようなものではないのですが、環境基本法は一度はe-Gov法令検索で全文読んでおくとよいと思います。法改正には特に注意。
◆最新の環境基準達成率
本が改訂されれば、その年は最新のが載るかもしれません。が、書籍という形態上、どうしても最新の情報でない場合があるので、その場合は「超速マスター」に限らずネットで調べてみてください。さっきも載せたサイト(公害防止管理者試験まとめました (yaku-tik.com))が使えます。
まあ、その年の情報を知らないと解けない問題はしょっちゅう出るわけではないですが。わかってたほうが安心です。
指針値についても同様です(細かく覚える必要はないと思うけど)。新しい物質が加わることもありますしね。
ちなみに、最新と書きましたが、10年分くらいの流れを追って、変化のあるものを把握しておくのもよいと思います。
◆典型7公害の種類別苦情件数
確認したところ少なくとも騒音・公害は載ってました。が、他についても件数の多い順を知っておいた方がいいと思います。というか、2022年の問12で実際に出ました。
◆騒音の環境基準
環境基準達成率は載ってますが、こういう場所では〇 dB以下とか、単発騒音暴露レベル/等価騒音レベルの話とか載ってないはず……なので、詳しく覚える必要はないけど多少調べてみるとよいかも。たまに出題されている印象。
◆ダイオキシン関係
もちろん項目としては載ってます。が、
毒性等価係数の定義が書かれていないはずなので覚えておくとよいです。(2022年問14で出ました)
あと、第3次削減計画というワードがちょいちょい出てくる印象があるので、存在くらいは知っとくとよさげ。
◆環境影響評価法における第1種事業/第2種事業の境界
発電所出力○○ kW以上とかのアレです。そこまでは記載されていない(多分)のでネットで調べてみましょう。
ちなみに、2022年には問15で出ました。調べてたおかげで迷わず取れました。その問題に関してはなかなかに細かかったですが、原子力はすべてとか、あとは鉄道や飛行機、道路等、規模が数値で定義されているやつをなんとなーく覚えておくと安心かもしれません。
◆時事問題系
正直何が出るかわからないところがあるのでアレですが。国際的に環境関連で大きな動きがあったときとか注目してみるとよいかも。ちなみに日本のCO₂削減の状況は一応調べてました。
◆一般粉じん発生施設の種類と定義
かなりよく出題されている印象。
多分本の「大気概論」の章には載ってなかったです。……が、普通に「ばいじん・粉じん特論」には載ってるので、基本的には一緒に勉強していれば見てはいるはず。ですが、科目免除を利用している方は注意かも。
◆環境基準の達成期間
とりあえず、SO₂が5年以内、NO₂が7年以内です。
◆大気汚染物質の影響を受けやすい植物
えーとですね、ページ右の補足部分に載ってはいます。十分載ってます。が、他にも例があるので一度くらい見ておくとよいです。2022年は問10で出ましたし、定期的に出てくる内容ですが、やっぱりなんか覚えづらいんですよね。覚えられる範囲で覚えてみて、知らないのが出たら捨て問扱いということでどうでしょうか。
◆1952年 ロンドン事件
ロンドンスモッグとも言うみたいですね。これを知っていると解ける問題が複数回出ている(はず)なので、存在を知っておくとよさげ。
忘れてるだけかもしれないですが、この科目が一番テキストだけでなんとかなったように思ってます。他科目と比べるとここに書いた内容が出るのはマニアックな問題扱いでよさそう。
◆流量計の種類
フロート形面積流量計とピトー管が載ってます。が、他にも調べてみるといいかも。
◆燃料ガスおよび天然ガスの特殊成分の分析方法
全硫黄、硫化水素、アンモニア、ナフタレン、水分それぞれの分析方法。
ちなみに一般成分分析法は書いてあります。
◆試料ガス採取装置の配列
化学分析では採取管、導管、捕集部
連続分析では採取管、導管、前処理部、分析計
と、簡単には書いてあります……が、もう少し突っ込んだ問題が複数回出ているはずなので確認してみるとよいと思います。
◆排ガス中のSOx・NOxの化学分析で使う試薬
妨害成分は載ってたんですが多分こっちは載ってなかったです。特にSOxの方が名前から何を使うかわからない方法ばっかりですね。覚えるという感じでもないですが、見ておくとよいと思います。
本には出てきてないけど重要な式がいくつかあります。
一応式載せましたが間違ってたらマジでごめんなさい(テキストに載ってるやつがあったらそれもごめんなさい案件)。式自体は他サイト等で確認していただければと思います。(あくまで同じ本を使っている人に何を調べたらいいか確認してほしいので)
◆カニンガムの補正係数Cm
全く出てきてないかはちょっと自信がないです(見返しましたが)。
粒子の移動速度や拡散係数を求めるときにこの補正係数をかけます。
テキストでカニンガムの補正係数なしで載っている式でも実際は省略されているだけだったりします。
◆サイクロンの遠心効果を求める式
Z = uθ²/gR
かなりの頻度で出てます。
◆クーロン力とガスの粘性抵抗力とが釣り合った状態で、電界中を移動する帯電量qの荷電粒子の移動速度
R2年度問題文より。
要するに電気集じん装置の話です。
ve = (qE/3πμdp)×Cm
なんか読みにくい文字が1個ありますが、円周率です。他サイト等で確認お願いします。
H26年度にも直球な問題が出てます。(電気集じん装置内の帯電粒子の移動速度)
2022年(R4年度)も問5がこの式を知っていれば解ける文章題でした。
◆拡散荷電、電界荷電
粒子径によってどちらが優勢になるか、性質など。2022年もちょっとだけ出てきました。
4. 実際の正答率、間違った問題を公開
自己採点なのでもしかしたら間違ってるところがあるかもしれませんが、
各科目の間違えた問題と、せっかくなので当てずっぽうで正解してしまったけど本当はわからなかった問題も載せていきます。
長いしちゃんとした解説もしませんが、試験のリアルな空気感を体感できるかと思います(?)
ちゃんと解説を見たい方はこちら→公害防止管理者試験まとめました (yaku-tik.com)
個人的にかなりひやひやしました。
なんか………難しくなかったですか?
正答率は10/15。一番ギリギリでした。というか迷った問題ほぼ落としました。
ミスしたのは問3、4、5、8、13。
問3 誤答:4 正答:2
見たことはあったんですけどね、なんか普通に覚えてませんでした。
うろ覚えで恵沢ではなく恩恵だろうと思って絞ったのがそもそもダメでしたね。
よく考えたら恩恵だと法律関係なく日本語として微妙な気がしてきた………。(基盤と基本もそうだけど)
「環境への負荷」は最も基本的なフレーズの1つなのでそこはちゃんと合っててよかったです。
やっぱり環境基本法だけは全体に目を通さないとダメですね。
問4 誤答:3 正答:2
事業者じゃなくて国でした。
3の独特な言い回しを勝手に疑ってしまいました。。
問5 誤答:5 正答:1
ちゃんと2択まで絞れてました。それだけでナイス(プラス思考)
50万円以下らしいです。ちなみに、この法律では罰金は20万円以下or50万円以下です。だからわかんなかったのか。。
問8 誤答:1 正答:3
これね、(4)はすぐに除外できたんですけど、地味に個々の化合物の濃度の増減は覚えてなかったんですよねえ。オゾン層破壊問題は歴史が長いだけあって、減ってる物質は意外と減り始めてから時間が経ってます。
問13 誤答:1 正答:5
どこかで見たような気もしたけど、シンプルに知らなかった気がします。多分。やはり捨て問寄りなのか(さっきの過去問掲載サイトでもそう書いてました笑)
正答率はよかったけど迷った問題多かったです。
正答率は8/10。
問3 誤答:1 正答:3
こういう大量の物質が並んでる系(?)がどうしても覚えれられなくてですね、覚えてない自覚をしながら試験に挑みました。
ただ、この選択肢は割と聞くことの多い物質の選択肢が多いのでなんとかできたかも感はあります。
問10 誤答:4 正答:1
まあまあ捨て問寄りですよね、うん。
個人的に2択で迷ったホウレンソウは、オゾンに対しても二酸化硫黄に対しても感受性が高いんですね。
ここからは半分当てずっぽうで当てた問題。
問2
ばい煙量又はばい煙濃度っていうフレーズ見たことあるんじゃね?というので選べました。この文章自体はあんまり記憶がなかったです。
(イ)は前後の文脈でこっちですね。
ということで、なんと(ウ)と(エ)がわからなくても答えられる問題でした。
問8
見たことあるようなないような順番で、なんだっけこれ……と思いましたが、1位はボイラーなんですね。そういえば圧倒的にボイラー(あとは無視)みたいな覚え方はしましたね。
まあまあ捨て問ということでよさそうなので安心しました。
それにしても我ながらよくこれを当てたなあ(普通に当てずっぽう)
問9
よく考えたらわかるような気がするんですが、地味に迷いました。
問題用紙だとちゃんと正解選んでるんですが、もしかしたら間違った解答をしたかも。あんまり記憶がないです。
廃棄物なら割となんでも含まれてる可能性があるんじゃね?と(1)は最終的に辞めたのですが、悪くない判断だったようです。
正答率は12/15。
最初の2科目が色々ひやひやすることが多くてつらかったですが、ここでは、問3、4の計算を自信をもって進められたことで割と落ち着いていました(と言いつつ、最初見たときはなんだこの問題と思いましたが。自分なりの解き方を探しました)
問7 誤答:4 正答:5
またまた2択で迷って外しました。
気体の熱伝導率とか初めて考えましたもん(言い訳)
正解の(4)については本当に連続測定??と勝手に疑ってしまったのですが、まあできますよね。
問13 誤答:4 正答:5
(5)はフロート形面積流量計(ロータメーター)が用いられることが多いらしいですね。
そういえばそっちなら見た覚えがうっすらありました……が、(4)の方が(5)よりもっと見覚えがない気がして選んでしまいました。
問15 誤答:? 正答:3
わからなすぎて完全当てずっぽうを決めこんだので、何を選んだか覚えてません。
(2)とかかな。
他、消去法で選んだ(正解の選択肢については知らなかった)問題はありましたが、一応根拠を持って答えられました。
この科目、一番ネットに助けられました。おかげで取りこぼしている範囲がほぼなかったです。(文字式が色々と出てきて物理が苦手な私には辛かったですが)
正答率は13/15。
問7 誤答:2 正答:4
ろ布の汚れ係数を無視して単位のつじつまを合わせて計算すると2になるはずです。多分。
解説見ましたが、[m⁻¹]の単位、そこにねじ込むのか~そうか~
計算問題でこういう選択肢が混ざってるの、個人的には珍しく感じます。
問10 誤答:2 正答:1
よくわからず当てずっぽうで。
よく考えたら装置って一般的にそうですよね。
毎度とか毎日チェックするタイプのものを「点検」「日常点検」と呼ぶという意識が足りませんでした。
最後に当てずっぽうで当てた問題を。
問11
問題用紙を見ると3と5で迷ったように見えますが多分普通に1と3で迷った……はず。
アモサイトとクロシドライトを区別する必要がある問題は過去一応複数回出てますよね。と思ったら覚えといてもいいのかも。