前の2巻の感想→https://hana00000.blogspot.com/2023/05/2.html
1巻から面白かったけど、この巻を読んだ時、本当に読んでよかったと思いました。
訳あって、他の巻の感想とは比べ物にならないくらい濃い感想を書いてますが(最後の方)、よかったらぜひ。
ということで1話ずつ感想を書いていきます。
※これより後の巻もたまにネタバレします。注意
瓜を破る(わる)という漫画です。
鍵谷さんを家に呼ぶことになって、男性と縁のなかった大学時代を思い出すまい子。
いきなり細かいんですけど、大学時代の回想シーンで、髪が長かった理乃の他にもう1人描かれているシーンが複数回あるので、今後現在の彼女が出てくるかもとちょっと思ってます。
大学時代のバイト先は絵からしてドーナツ屋さんですかね、、ドーナツ、また後の巻で出てきますし。
ところで作業着の鍵谷さんってこんな色なのか……(ここが初出なのか自信ないけど)
鍵谷さんを部屋に入れる直前に彼女がいないことを確認することに成功(?)
鍵谷さんが飲んでるお酒、ほぼ確実にほろよいのパロディですね。ほろよい以外お酒が好きじゃない(つまりただのジュース好き?)私からするとナイス選択。
女性の家に行く&男性を家に入れることが初めてであることを打ち明け合う二人。
まあとんでもなく気まずくて甘酸っぱい(という表現で合ってるのか?)
気まずい中で鍵谷さんが「食べます?」と、蓋を開けます。さっきコンビニで買っていたおやつはじゃがりん(ほぼじゃがりこ)でした。
前会った時、理乃がじゃがりんを分けてくれたことを思い出すまい子。
これ、わかる。めっちゃ正しい気がする。相棒みたいな同性の友達と付き合う異性には何か共通点みたいなものがどこかにあるものだと思う。
そして手が触れ合う二人。
積極的で健気(?)なまい子を思わず抱きしめる鍵谷さん。(ああなんか書いてて恥ずかしくなってきた
(後から見ると、隣の部屋から声が聞こえてきて、まい子が気にしてTVをつけようとしている間も全く離れようとしてなかったのが好かれてる何よりの証拠じゃないですか。でもそういうことってマイナス思考になってる時忘れちゃうよね)
でも、TVをつけた途端、なぜか帰ってしまう鍵谷さん。
ここ、最初読んだ時全く別の変なこと考えてました。
帰ってしまった理由はEpisode.20以降でわかります。
そして絶望するまい子。
理乃と会うのですが、その時に着てるの、喪服・・・?(と思ったら理乃がほぼ喪服って言ってたわ)
私はフル(?)ではやったことないですけど、カラオケに行って歌うんじゃなくて悩み相談タイムになるのってやっぱりあるあるなのかしら。
鍵谷さんもノンセクシャルなんじゃないかと疑うあたり、原くんの存在大きいよね。いや、異性としてということでもないんですけど、まい子にとって恐らく人として見たことないタイプだったし、人のプライベートな部分って知るとなんか自分にも重みがのしかかってくるときあるじゃないですか。
理乃と話して復活はしてないけどすこーしだけ元気になったまい子でした。
一方、味園さんと辻さん。
味園さんの口座に彼氏の真からの謎のお金が振り込まれ、家賃か何かだという結論に。
夜には味園さんの家で作戦会議をすることに。
辻さんマジで料理上手そうだなあ………。
そして作戦は……(続く)
会社の同僚の塚田ちゃんの話。
(多分)高校時代、男子の家に行ったら事後に彼女いる報告をされたという……。
よく見て気づいたんだけど、服とカバンの感じからして二人とも同じ高校っぽいじゃないですか。彼女いるの隠してたの冷静に考えたら策士なのでは???まあ、彼女が他校(主に女子校)とかもありそうだけど。
そして冷静に考えたら、翌日から色んな意味で居心地が悪すぎる。
当時はセンター分けのロングヘア―でイケイケのギャルっぽい(と私は思いました)見た目だった塚田ちゃんですが、現在では前髪を作って冷めた目をするようになりました。
休憩しながら珍しく感情的になってしまった時のこと(1巻参照、味園さんと)を思い出していると本人登場。
味園さんが1週間有休を取るという報告+素直な謝罪に怖っ、となる塚田ちゃん。知ってたら怖くないんだけどやっぱり外から見ると怖いのか……。
さらにまい子&染井さんとご飯を食べてるときにその話題に。
味園さんの行き先が海外ということで、彼氏と旅行とか?と素で言ってしまうまい子。
わかる~~。言わないようにしててもこうやって広がるのよ噂って。
ところで、味園さんのことを未経験だと思っていたと言ってしまうあたり、塚田ちゃんはまい子の心の中に全く気づいてなさそうな気がする。洞察力は鋭いけど、実は仕事に全く関わらないと思っている限りそれを発揮しないようにしてる気すらする(すぐ後のシーンで最近のまい子が暗いということには気づいてることがわかるけど)。
昼休みが終わって戻ると、エイコウ(会社)の鍵谷さんではない人が。。
また吹き出しが黒くなってるまい子でした……。
というのは一回置いといて、また塚田ちゃんの話に戻ります。
1巻冒頭でできたと言っていた彼氏登場。
味園さんの話をするのですが、謝られても私が傷ついた事実は消えないと怒った表情で言っているあたり、ちゃんと感情的な部分の方が素なんだろうなと。そして意外と打たれ弱いのかも……と思ったり思わなかったり。まああの時の味園さんは普通にひどいこと言ってましたけど。
ご飯が終わって彼氏を家に誘う塚田ちゃん。彼氏はオレが行ってばっかりだけどと言ってますが、何か理由があるんでしょうか。
パッと思ったのは、塚田ちゃんが自分のペースに持っていきたいのかなという。
あとは、この時までは結局のところ相手に興味がなくて、属性でしか見てなかったということなのか。
道端で酔っ払いと思われる倒れている人を発見。
塚田ちゃんはほっておこうとしますが、彼氏が交番に向かったのを見て、自分はドライというより冷たいのかも?と思い始めます。
冷たいと思われて、彼氏が家に来るのをやめてしまうかもと思い、自分から家来なくていいよという塚田ちゃん。
えっ怖い。普段からどれだけ計算して動いてるんだろうと思うと怖い。
考えすぎタイプの人だとたまにこういう人いると思うけど、あくまで冷静に計算して動いてるていなのが一番怖い。
いや、キャラとしては好きなんですけどね。1巻時点のこじらせ度は実はトップだったんじゃないかと思えてきましたね。。
そしてここでの彼氏の対応凄いっすね。これは正義を押し付けるタイプではなく本当に配慮できるタイプですわ。
いい雰囲気になるものの、頭を冷やすために謎の発言をして塚田ちゃんは帰ります。
そして翌日以降の朝。西武池袋線。池袋駅ですね。
とりあえず鍵谷さん&まい子とは反対側(?)に住んでますね。
駅が複雑すぎて道に迷ってる女子(就活生?)がいて、普段だったら通り過ぎていたところだと思いますがしっかり助けて、いい気分になっていたところ腕をぶつけました。(オチ?)
昼、まい子と二人でカオマンガイのお弁当を食べます。タイと特に繋がりがない(はず)の二人が食べてるあたり、物語全体のゆるいつながりを感じます。
塚田ちゃんは、まい子が何に悩んでいるのか聞いてみようとしますが、まだ言えないと言われます。
うーん、そりゃあそうよね。会社の人だと友達っぽくはなれてもそこまで言わないよなあ。。塚田ちゃん相手の場合言いづらい理由もちゃんとあるし。
帰り、腕を怪我しているのを見て席を譲ってもらいます。譲ってもらうと嬉しいのわかる~~。私も優先席に座る対象になったことがありますが、大体は自分で席を確保してました。そして、たまに譲ってもらうと、安直に人生捨てたもんじゃないなという気持ちになってました。
家に帰ると、彼氏がお弁当を買ってきてくれてました。
なんというか彼氏優しいなあ……。
ラスト、塚田ちゃんが属性でできた世界から目覚めて、初めて生気のある(?)笑顔をしていてよかったです。
なんとか正気に戻っているものの、落ち込みっぱなしのまい子。
給湯室で沈んでいると、
派遣社員の小平さん初登場。
小平さんを案内している沢さん(完璧な女性?みたいなキャラ)が新築マンションを買ったという話になったり。
一方で小平さんが突然卑屈な発言をするのでどう返せばいいかわからないまい子。沢さんは動じてないんだろうななどと考えますが、多分後の巻を読む限り戸惑ってはないけどイライラはしてますよ。
まい子は、理乃が言っていた通り何か趣味を見つけようと思って迷った結果、ゲームセンターに行くことにしました。
そこで鍵谷さんと遭遇。
思わず逃げ出したまい子を、鍵谷さんは追いかけました。
そう思うの私だけかな?と思ったけど、やっぱり私だけじゃないと思うんですけど、この20話が1つのクライマックスだと思います。
明かされる鍵谷さんの過去。
母が亡くなって、一人寂しく過ごしていたある日(父は生きてます)、将棋と出会う。
筋がいいと褒められて、奨励会に入ることに(ざっくり言うとプロを目指す機関)。
途中までそれなりに順調でしたが、年齢制限で諦めることに。
ここからはこんな感想を書くか迷ったんですけど、意を決して心のままに書きます。
鍵谷さんは自信なさそうにしているけど、やっぱりカッコいいと思うんですよ。
本編開始以降(時系列で1巻最初以降)も重要なシーンではしっかり動いてますけど、そして本人に絶対自覚はないと思うし作者さんがそう考えているかもわからないんですけど、鍵谷さんの本当の運命の分かれ道は、まい子と出会ってからではなく、「夢が叶わなくても生きていかなきゃいけないんだ」と思った瞬間だったと思ってます。
少なくとも私にとってはそうです。
ぶっちゃけるんですけど、私の身近(知り合いレベルじゃなくもっと身近)にも将棋をやっていた人がいます。その人は奨励会に入る直前の段階で諦めました。
わずか12歳くらいでした。
でも、今も全くそこから立ち直れていないように思います。
鍵谷さんは立ち直れてないのかもしれないけど、父に世話になったと思ってるし、働き始めたし、一人暮らしを始めたし、もう、「夢が叶わなくても生きていかなきゃいけない」と思った直前の1コマみたいにペットボトルごみを溜めっぱなしにしていません。
ちゃんと大人ですよね。
そもそも、これまで将棋しかしてこなかったって言ってるけど、全然そんなことない(と思う)。一人で工夫して料理も作ってきたし、周りの人ともそれなりに会話してきたし。授業中に教科書を立てて詰将棋かなんかをやってたのだって、強くなるため以上に、自分を貫くという点において無駄じゃなかったと思う。(1コマしかない描写への謎考察)
現実は鍵谷さんみたいに行かないこともあるんだよなあとちょっと胸が痛くなりつつ、IFの世界を見せてもらった気がして心が洗われました。
この20話を読み始めた時、あれ?今までと別の漫画??というくらいテイストの違う話が始まって迷い込んだような気分になりましたが、本当に私にとってこのストーリーでなければダメだったし、出会えてよかったと思いました。
後の巻の話にも繋がりますが、この話を読むと、鍵谷さんがテレビを持っていないことに納得してしまいました。まあ、テレビに限らず家にほぼ何もないんですけど。でも、やっぱりテレビはインターネットと比べて自分の見たい情報だけを見ることができないんですよ。嫌な情報がいきなり目に飛び込んでくる可能性も高い。(結局ネットでも見てたけど)
そして、私自身、Episode.15からの20を読んで、自分のことじゃないのに傷ついていた自分に気づきました。
どうしても逃げたい日もあるし、逃げても、別のところで逃げなければ何とかなる、って言ってもらえたような気がしました。
雨の中ずぶ濡れでまい子に追いついた鍵谷さん。
とりあえずまい子の家に入れてもらうことになりました。
いや〜ここ、詳しくは言わないですが心の声多めで、絶妙にすれ違ってて絶妙ですね。。
ところで、風呂用アロマキャンドルってのがあるんですね。普通にオシャレだしいつか買ってみようかな。。
ラストは再び味園さんの話に。
辻さんと作戦会議して、タイに彼氏を探しに行くことになったのでした。
海外旅行の手配慣れてるとか辻さん能力高くないか??と率直に思いました。周りから煙たがられてるけど、内容によっては普通に仕事できるタイプなのではないだろうか…。
そして髪を切ってからタイへ。
印象が変わるというのもそうだけど、タイは暑いので髪を切って正解だと思います笑
それにしても旅っていいな。傷心旅行じゃなくて探しに行くってのが本当にいい。
[続く]
ということで、心の中をぶちまけた3巻の感想でした。
もっと書きたかったけど端折ってしまったところもありますが。
何度読んでも心の中がざわざわするけど、受け入れて生きていきます。