2020年秋に上映されていた劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンについて今更ながら描いてみようと思います。
一度見ただけなので間違っている部分があるかもしれませんがご了承ください。
ちなみに、テレビアニメ版は大体、あとは外伝を視聴済みで、小説の方は読んだことがありません。
※ガンガンネタバレしていきます。ご注意ください。
◇冒頭
公式YouTubeでも公開された部分です。
それまでのを見ていた人にはかなり響いただろうな、という部分。
言うまでもなく感動しました。
死ぬ前に母が娘に送った50年分の手紙があれからどうなったか。
「現在(話の舞台の数十年後?)」が出てきて、それがヴァイオレットたちの世界と繋がっていて、というのが段々種明かしするように描かれていくのは圧巻でした。
◆「電話」の描かれ方
外伝のとき、建設途中の電波塔が出てきて、輝かしい復興の象徴のように思えて感動したのを覚えています。
今回はついに(?)電話がしっかりと初登場。
アイリスが「電波塔が完成したら手紙の代筆業なんてなくなってしまう」と焦っているシーンが出てきますね。
そこから「電話も悪くない」と思うようになるシーンはほろりときます。
今では固定電話すら古い存在になりつつありますが、やはり電話には電話にしかないよさがあると思わされました。
◇働く女性としてのヴァイオレット
劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンを一言で言うと、「ヴァイオレットが行方不明だった少佐と再会して(おそらく)結婚する話」となると思います。
他にも色々重要なエピソードはありましたが、軸になっているのはやはりそこかと。
ただそれだけだったらシンデレラストーリー的というか、それほど目新しさを感じないまま終わってしまった気がするのですが、私は他の話にはないよさを感じました。
まずはヴァイオレットの普段の冷静さ。
特に序盤(テレビアニメの方)は過剰なくらい元軍人としてのヴァイオレットが描かれていましたし、人間らしさを獲得していってからもとにかく仕事ができる、そつなくこなすという印象が強いです。
そんなヴァイオレットがたまに感情をあらわにする瞬間にドキッとするんですね。
(ヴァイオレットは無理やり当てはめるなら「デキる無口キャラ」ですが、そういうキャラを主人公にして話を進めるのは実は難しいことなのではないかと思います。凄いです)
それからヴァイオレットのその後の生き方。
はっきりと描かれるわけではないですが、「現在」のシーンが時々挟まれるおかげで、おおよその想像がつきます。
小さな島で暮らして郵便の仕事をし、地元の人に愛され、切手に描かれるまでになる。
一つの理想の生き方ですね。
そういう意味では、家事・育児・仕事の両立に悩んだり、仕事上の人間関係に悩んだり、身体的にも精神的にも余裕がなく疲れたりしている現代人にこそ響く内容ではないでしょうか。
外伝の方でも郵便社の女性たちが「これからは女性ももっと働く時代が来る」みたいな話をしていたシーンがありました。
その伏線を回収してくれたのだと思っています。
(島の人との関係もよいと思ったポイントでした。
最初、閉鎖的な感じなのかと思ったら皆優しくて暖かい気持ちになったのを覚えています)
◆(名)脇役たちの葛藤
これもよかったです。
特に印象深いのはアイリスです。
表情豊かで魅力的なキャラですね。
ヴァイオレットに対して劣等感を抱きながらも変にいじけず、何とか自分の中で折り合いをつけていくところがよかったです。
「現在」どうなっているのかはっきりは描かれていませんが、おそらく出てきましたね。
自分だけの小さな居場所を見つけたということでしょうか。
あとは大佐ですね。
ヴァイオレットと二人で船の中で色々探していたときの空気感がヤバかったです。
アニメであそこまで表現できるのかと。
◇クライマックスシーン
もう、これは本当に凄かったです笑
宣伝のポスターがなぜ水辺だったのかもわかりましたし、進化して帰ってきた「みちしるべ」があまりにも素晴らしすぎました。
元の曲が昔の街とかMVに出てきた草原や庭とかのイメージなのに対して、今回のはリバーブのかかり具合のおかげか海の波を感じるサウンドになっている気がしました。
なぜ、あなたの「声」が道しるべなのか。
改めて歌詞がいかに完璧か知りました。
以上です。
また何か思い出したら付け加えるかも。